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相続は「相(あい)続く(つづく)」と書きます。家が続くことです。誰かが死んでも家族は残され、家は続きます。
確かに血筋や遺伝子としての継続も、財産の継続もあります。でもそれだけではありません。家族を愛し、家族から愛されていたという記憶も続きます。
自分がいなくなったときに残された家族はどうするのだろうか…
相続の手続きは普段はなじみのないことばかりです。…余分な苦労をさせたくない。
葬式はどうすればいいのか。誰に通知したらいいのだろうか。葬儀の写真はどれを使うのか。…自分の意思を伝えながらも家族に迷わせないようにすることも残される家族への愛です。
明治の平民宰相 原敬首相の遺言
- 死去の際位階勲等の陞敍は余の絶対に好まざる所なれば死去せば即刻発表すべし
- 死亡通知は親戚のみに限るべし一般には別に通知書を出さず新聞紙の広告に止るべし
- 死亡広告は左の趣旨にて可なり
- 父原敬何日何時死去致候に付何日何時郷里盛岡に於て葬儀相営み候
- 此広告の外別段通知は不致候
- 生花造花放鳥香典等一切の御贈与は遺旨に依り勝手ながら御断致候
- 東京にては何等の式を営むに及ばず遺骸は盛岡に送りて大慈寺に埋葬すべし埋葬の方法は先ず古端に送り日時を定めて夕刻内葬をなし更に日時を定めて本葬を営むこと大体兄上の時を参酌して適宜取計らうべし但死亡冬ならば焼て遺骨を送るべし此場合には内葬などの面倒に及ばず
- 墓石の表面には余の姓名の他戒名は勿論位階勲等も記すに及ばず
- 葬儀後各方面への寄附等は大体母上の時の例を参酌決行すべし余は生前に於て生来得る限り夫々寄附の考なれば是にて可なり
- 葬儀の際儀仗兵などは無論に願ふべからず
- 葬儀委員長には高橋光威氏を頼むべし高橋氏差支の場合には山田敬徳氏を頼むべし両氏共差支のときは誰か適当に選定すべし
- 茲に記載なき事柄は葬儀関係の委員長世話人親戚及び阿さの考に一任すべし
- 法事其他種々の俗事は何れにても宜し
大正十年二月廿日 敬
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太平洋戦争での海軍大将井上成美の若い頃の遺言
- 本人死亡せばクラス会幹事開封ありたし
- どこにも借金なし
- 娘は高女だけ卒業させ、出来れば海軍士官に嫁がせしめたし
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遺言がなければ、普段は別れて住んでいる子供たちが集まって、残された母親と財産分けの話し合いをします。遺産分割協議です。
いつもは楽しく飲み食いしている子供たちでも、財産のことになるとどうなるのか…。
幼い時にお菓子の取り合いをした仲です。預金通帳や不動産の取り合いをしたっておかしくありません。親が思うほど子が仲良いとは限りません。
残された配偶者はちゃんと自分の思っていることを言えるのだろうか…。残された子供たちや配偶者に財産分けへの迷いをなくす手段が遺言でもあります。…「お父さんが決めたんだから…」
民法第960条
遺言は、この法律に定める方式に従わなければ、することができない。
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一般に遺言というとそれは民法の定めによる遺言です。それはもっぱら財産に関する定めのことをさします。法律に定められた事項について法律の定める方法に従わなければ、法律の上では無効です。
その意味では前の二つの遺言は民法においては意味のないものです。民法は葬式の仕方を遺言で定めるなどとは規定していません。娘の嫁ぎ先についての遺言が有効であるはずはありません。そして「妻よ長い間ありがとう」という一文も民法においての法律が定める遺言事項ではありません。
しかし自分の意思を伝えることはとても大切です。何でも書いていいのです。書いたからと言って法律上意味のある法定遺言事項が無効になることはありませんから。だから書いてみましょう「妻よ長い間ありがとう」と。
大阪高裁 昭和44年11月17日判決
遺言書中に法定遺言事項以外の事項が含まれていても、これが他より分離独立して把握できる場合には、その部分は遺書としての効力を有す。
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ただしこのホームページでは相続や遺言については法律と財産のこととしてとらえています。
気持も大切ですが、財産についても大切です。財産をどのように承継させるのかのという自分の意思を実現し、また相続人たちに無用の争いを起こさせないようにしないといけません。
大切なのは現状認識です。こまの自分の立場と財産を冷静に見つめます。財産状況と家族構成です。そうしたうえで落ち着いてじっくり取り組むことです。
そして、もしも何も生前対策がなされないままで相続が起こったならば遺産分割協議をしないといけません。大変な作業ですが、財産状況と各相続人の立場を考えて、落ち着いてじっくり取り組むことです。
さてあらためと財産のことや法律のことをお助けするのが私たち専門家です。
もちろん専門家は過去に様々な経験をしていますから、気持の解決へのお助けもできるかもしれません、しかしお助けできるのはわずかです。気持は自分で整理して決めていかなければなりません。気持ちを決められるのは自分だけです。
ただ気持ちが決まったならその気持ちを専門家に遠慮なくぶつけてください。その気持ちを法律と財産の上で実現していくのが専門家です。
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